March 2014
March 31, 2014
かぷらぼ!定期更新しました【特別受益と寄与分】
1週間遅れでブログも更新~。
とか言ってないで、ブログの方の更新ももう少し早くしていきたいと思います。
すみません…。
さて、今回は「特別受益と寄与分」の解説です。
特別受益とは、生前に被相続人から特別な利益を受けた相続人に対して、その分を本来の相続分から差し引くものです。
どんなものが特別な利益かについては、民法903条に「遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者」と規定があります。
より具体的にいえば、留学等の費用や結婚に際して出してもらった費用などが該当します。
ただし、これらの費用も他の相続人と比べて明らかに特別に出してもらった等の事実がなければ認定はされにくいものと思います。
現実には認定されている事例は多くありません。
寄与分は特別受益の逆で、生前に被相続人の財産の維持や増加に貢献した相続人に対して、本来の相続分よりも多くするものです。
具体的な事例では、高校を中退して40年間家業に従事した者や、ちょっと変わったものでは長男の妻の寄与分を長男に認定した事例があります。
これらはお互いの利害に直接影響し、反しあいます。
相続人同士の関係が悪くなければまだマシなのですが、関係が悪いと調停、裁判にまで発展しかねません。
当事者同士で決定することが難しそうなことが予想されるときにこそ、遺言をオススメします。
たとえば、親が亡くなり子ども同士で揉めているとします。
子ども同士の意見には従いたくなくとも、親の意見ならばしぶしぶ従う、といったこともあるかと思います。
はたまた、親の威厳でビシーッと相続分を指定してしまうのが有効な場合もあるかもしれません。
根拠が無いと、余計な火種を投げ込む結果にもなるかもしれません。
また、「かぷらぼ!」で本日更新分の「付言事項」で想いを伝えることも有効といえます。
遺言を読むのも、また遺言によって財産を得るのも同じ人間です。
生前の行いを評価して差を付けてあげることが、結果的に公平に繋がることもあります。
このあたりは特によく考えて遺言を作らないと後々問題になりやすいといえます。
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March 27, 2014
March 26, 2014
かぷらぼ!定期更新しました【遺留分】
遺言で相続分を指定する場合には遺留分にも注意しなければなりません。
遺留分とは、わかりやすくいうと遺産総額から最低限受け取ることが出来る金額のことです。
遺留分は直系尊属のみが相続人である場合は相続財産の3分の1です。
また、それ以外の場合は相続財産の2分の1です。
ただし兄弟姉妹には遺留分がありません。
愛人に傾倒している夫が、全財産を愛人に残す旨の遺言を残して亡くなったとしても、妻や子どもの遺留分を侵害することになりますので、妻や子どもは遺留分減殺請求をすることで遺留分を取り戻すことが出来ます。
遺留分減殺請求と聞くと、なにやら難しいことをしなければならないのかと躊躇してしまうかもしれませんが、法律上に制限はありませんので、手紙や極端な例では口頭でも可能です。
ただし、一般的には後の裁判などの証拠とするために内容証明郵便で行います。
また、子どもが居ない夫婦の場合、相続人が配偶者の兄弟姉妹となることがあり得ると思いますが、配偶者の兄弟姉妹となると疎遠だったり関係が悪かったりする可能性がより高いといえます。
夫婦二人で築いてきた財産を、よく知りもしない兄弟姉妹に持って行かれるのが好ましくない場合もあるでしょう。
こういったときは、「妻(夫)に全財産を相続させる」旨の遺言を残しておけば良いのです。
兄弟姉妹には遺留分がありませんので、このような書き方をしても遺留分侵害とはなりません。
遺留分は遺言をするうえでは重要なポイントです。
遺留分を侵害してしまうような遺言を残してしまうと、余計な火種を作ってしまうことになってしまいます。
侵害しないように、また、時には上手く利用することでより希望に沿った遺言とすることができます。
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March 19, 2014
かぷらぼ!定期更新しました【遺言に関する補足】
先週の更新についてコメントするようになってしまった。
う~ん、今週は本当になるべく早く更新するようにします…。
さて、先週のかぷらぼ!の定期更新は「遺言に関する補足」でした。
民法で定められている遺言3方式以外の例外のほか、民法に沿って遺言に関する補足を行いました。
最初にご紹介したのは、成年被後見人の遺言についてです。(民法973条)
成年被後見人とは「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」(民法7条)で、家庭裁判所により「後見開始の審判を受けた者」とされています。(民法8条)
そのような方が一時的に事理弁識能力を回復した場合には医師2人以上の立ち会いのもと遺言ができるというものです。
現実的にはあまり使われることはないのではないかと思います。
一時的に事理弁識能力を回復したのかどうかの判断も難しいでしょうし、遺言の効力の無効を争われるおそれがありますので、 医師としても 判断を避けたがるのではないでしょうか。
次は公正証書遺言等の証人の欠格事由です。(民法974条)
未成年者 、推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族 、公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人は証人になることができません。
客観的に見て適当ではない立場の人は証人にはなれないということですね。
次に危急時遺言と呼ばれるものです。(民法976条)
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者は、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授することで遺言をすることができます。
連続して、伝染病隔離者の遺言(民法977条)、在船者の遺言(民法978条)、船舶遭難者の遺言(民法979条)を紹介しました。
こちらの詳しい情報は「かぷらぼ!」のサイトをご覧ください。
いずれにも言えることは、これらは例外的な遺言の方式であるということです。
状況、状態もかなり限定的なものです。
正式に遺言を残したい場合は3方式のいずれかを選択すべきです。
最後に、在外の日本人が公正証書遺言を作成する場合の紹介をしました。
公証人は当然国内にしか居ませんので、在外の日本人が公正証書遺言を作成したい場合にどうするのでしょうか?
その正解は民法984条にあり、公証人の職務は領事が代わって行うこととされています。
国外にいる場合でも、ちゃんと公正証書遺言を作成する手段が用意されているんですね。
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March 10, 2014
かぷらぼ!定期更新しました【秘密証書遺言とは】
うっかり前回のかぷらぼ更新についての記事を忘れてました。
本日のかぷらぼ更新分についても近日中に投稿しますね。
秘密証書遺言は、遺言者が作成した遺言書を公証役場へ持参し、公証人にその存在を認めてもらう方式です。
公証人や証人は内容を見ることはありませんので、遺言書の内容を知られること無く遺言書を作ることができ、遺言書を作ったという事実だけが一部の人に知られることになります。
反面、遺言書の内容はチェックされませんので、不備によっては遺言書自体が無効となってしまうおそれもあります。
秘密証書遺言は本文を自筆する必要はありませんが、 秘密証書遺言として無効になったとしても自筆証書遺言の要件を満たしていれば自筆証書遺言として有効になりますので、極力すべて自筆しておくべきといえます。(民法971条)
なお、署名は必要ですので、そこだけはパソコン等で印刷して作っても自筆する必要がありますので注意してください。
秘密証書遺言は自筆証書遺言と同様に家庭裁判所での検認が必要です。
検認手続きを経ないで開封したりしてしまうと過料に処されますので気をつけてください。
なお、公証人への手数料は一律11,000円となっています。
現実には、秘密証書遺言はそれほど多く利用されている方式ではありません。
お金をかけて作成する割には必ず遺言が実行される保証もなく、誤解も承知でひとことで言えば中途半端なのです。
作りやすい自筆証書遺言、信頼性の高い公正証書遺言のいずれかを選択するのが良いと思います。