September 08, 2015
「かぷらぼ!」更新分のまとめ【相続手続き ~戸籍収集編・その4~】
今回は実際の戸籍を見ていきます。
戸籍には、前回説明した「本籍」と「筆頭者(戸主)」の他に、戸籍に属する個人の生年月日や両親の名前、婚姻の情報、その人が以前属していた戸籍などが書かれています。
戸籍は明治期に作られはじめ、法改正により何度か書式が変わっています。
まずは現在の書式の戸籍を紹介します。
現在では、ほとんどの市町村で戸籍のコンピュータ化が行われており、印刷された文字で非常に読みやすくなっています。
先頭部分に「戸籍事項」といった欄があり、そこにこの戸籍がいつ編成されたかが、理由と一緒に書かれています。
すでに除籍された戸籍であれば除籍事項もここに書かれます。
前の戸籍を辿るには、ここを見ていきます。
「従前戸籍」のところに、一つ前の戸籍の本籍と筆頭者が記載されています。
一つ前の戸籍を取るためにはこの2つの情報が必要になります。
人に関しても同様に、その人の身分事項欄に「婚姻」と書かれたり「死亡」とかかれたりして、それぞれの詳細が記入されます。
その人の前後の戸籍を辿るには、入籍または除籍に関する記載の本籍および筆頭者を確認する必要があります。
さて、現在の戸籍はこのようにわかりやすいものになっているのですが、問題はそれ以前の戸籍です。
現在のようにコンピュータ管理されていませんので、当然手書きのものが出てきます。
現代に近ければ印刷されているものや、楷書で読みやすいものも多いのですが、明治・大正・昭和の初めごろのものは、達筆であったり状態が悪かったりで読み取ることが非常に難しいものもあります。
役所の人に聞いても「読めませんねぇ~」って言われたりすることもあります…。
また、明治期よりも前になると戸籍が現存していないこともありますので、さかのぼれるのはだいたい江戸末期ごろに生まれた人までのことが多いです。
では古い戸籍の見方を紹介していきます。
古い戸籍も何度か書式が変わっていますが、概ね見方は一緒です。
ただし、編成や除籍に関する戸籍事項がすべて文章で書かれています。
例を挙げると、
「昭和参拾弐年法務省令第二十七号により昭和参拾参年九月拾五日改製につき昭和参拾五年拾月弐拾日本戸籍編成」
「○○△△と婚姻届出昭和四拾年四月三拾日受附」
「昭和六拾壱年拾壱月九日午前拾壱時五分本籍で死亡同日親族○○□□届出除籍」
といった感じです。
非常に読みにくいのがおわかりいただけるかと思います。
数字も大字ですし、慣れないと読むだけで疲れてしまうと思います。
また、複数の日付が出てくるものがありますが、どの日付と事項が対応しているのかが最初はわかりにくいと思います。
よく読みこんでみて、間違わないようにしてください。
このように、読みにくかったり、書いてあることがよくわからなかったり、戸籍を辿るのも意外と慣れと知識が必要なものです。
ただし、前の戸籍、次の戸籍を辿るための情報は、その戸籍に必ず書いてあります。
読みにくいところもあるかもしれませんが、よく読んで探してみてください。
また、連続戸籍を取るポイントは、この戸籍で対象の人の何歳から何歳までをカバーしているか、を確認することです。
また、新しい戸籍が編成されるときに、今までの情報すべてがそのまま書き写されるわけではありません。
最新の戸籍に書かれている内容だけで判断してしまうと、隠れた相続人が居たりする場合がありますので、生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を辿る必要があるのです。
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